目隠し解法の仕組み|カードの並び替え
目隠し解法の仕組みは、カードの並び替えで理解・習得できます。
一度に全てを理解するのは難しいため、5割ほど理解したらステップ1へ進んで構いません。
「あいうえお」と書かれたカードを用意

交換を繰り返すと元に戻る|2点交換
まずカードの並び順をバラバラにします。
そうしたら以下の手順を繰り返して、元の並び順「あいうえお」に戻しましょう。
一番左の位置にあるカードを、揃うべき位置にあるカードと交換する
カードの並び替え例
並び順を適当に混ぜた状態からスタート

①一番左の「え」が揃うべき位置は左から4番目なので、左から4番目にある「い」と交換する

②一番左の「い」が揃うべき位置は左から2番目なので、左から2番目にある「う」と交換する

③一番左の「う」が揃うべき位置は左から3番目なので、左から3番目にある「お」と交換する

④一番左の「お」が揃うべき位置は左から5番目なので、左から5番目にある「あ」と交換する

「あ」は位置を交換する必要がないため並べ替え終了

一連の流れ

①「え」を左から4番目の「い」と交換する
②「い」を左から2番目の「う」と交換する
③「う」を左から3番目の「お」と交換する
④「お」を左から5番目の「あ」と交換する
カードの交換(2点交換)を繰り返すことで並び順が揃いました。
このときの一番左のような毎回交換する位置を「バッファ」、バッファにあるカードが揃うべき位置を「ターゲット」といいます。
つまり「バッファとターゲットにあるカードを交換する」を繰り返すと元の並び順にもどる、ということです。
そしてバッファに揃うべきカード(この場合は「あ」のカード)が揃ったら、並び替えは終了します。
※ターゲットの定義は解説者によって異なる場合があります。
元に戻りきらない場合の対処法|複数ループ
もうひとつの例を見てみましょう。
カードの並び替え例
並び順を適当に混ぜた状態からスタート

①「う」を「い」と交換する

②「い」を「あ」と交換する

「あ」は位置を交換する必要がないものの、「お」と「え」がまだ揃っていない

まだ揃っていないカードがあるのに、バッファに「あ」が揃ってしまったため交換先がありません。
この場合は以下のようにして残りを揃えます。
カードの並び替え例(続き)
③左から4番目の位置を仮のターゲットとして「あ」を「お」と交換する

※左から5番目の位置を仮のターゲットとしても手順を進めることができます
④「お」を「え」と交換する

⑤「え」を「あ」と交換する

「あ」は位置を交換する必要がないため並べ替え終了

一連の流れ

①「う」を左から3番目の「い」と交換する
②「い」を左から2番目の「あ」と交換する
③「あ」を左から4番目の「お」と仮交換する
④「お」を左から5番目の「え」と交換する
⑤「え」を左から4番目の「あ」と交換する
このようなバッファにあるカードを仮のターゲットにあるカードと仮交換する必要がある状態を「複数ループ」といいます。
制限付きの交換方法|セットアップ・逆セットアップ
ここまではバッファとターゲットのカードを直接交換して揃えました。
次は「バッファのカードは左から2番目の位置にあるカードとしか交換できない」という制限を加えて揃えてみます。
カードの並び替えに制限がついた例
バッファにある「え」をターゲットにある「い」と交換したい場合

①左から2番目にあるカード「う」を退かして、ターゲットにある「い」を左から2番目の位置へ移動させる

②バッファにある「え」を左から2番目にある「い」と交換する

③左から2番目にある「え」をターゲットに移動させ、退かした「う」を元に戻す

バッファにあった「え」をターゲットにあった「い」と交換できた

このようにバッファと交換できる位置が制限されていても、ターゲットのカードを移動させれば並び替えが可能です。
※ターゲットが左から2番目のときはそのまま交換すればよい

バッファと交換できる位置(この場合は左から2番目の位置)を「中継点」と呼ぶとき、ターゲットにあるカードを中継点へ移動させることを「セットアップ」、中継点にあるカードをターゲットへ移動させることを「逆セットアップ」といいます。
※中継点を「ターゲット」と呼ぶ場合もありますが、本解説では元に戻したい位置を「ターゲット」とします。
用語のまとめ
・毎回交換する位置を「バッファ」
・バッファにあるカードが揃うべき位置を「ターゲット」
・バッファにあるカードを仮のターゲットにあるカードと仮交換する必要がある状態を「複数ループ」
・ターゲットにあるカードを中継点へ移動させることを「セットアップ」
・中継点にあるカードをターゲットへ移動させることを「逆セットアップ」
※中継点のことを「ターゲット」と呼ぶ場合もありますが、本解説では元に戻したい位置を「ターゲット」とします。
カードを裏返して並び替える|実際の例
カードを裏返した状態(目隠しと同じ状態)で並び順を揃えるためにはターゲットの”位置の順番“を分析して記憶します。
ターゲットやバッファにくる”カードの順番”とは少し違うので注意してください。
最初に解説した「えうおいあ」の例を見てみましょう。
ターゲットの順番を分析する

①「え」を「い」と交換(ターゲットは「え」が揃うべき位置)
②「い」を「う」と交換(ターゲットは「い」が揃うべき位置)
③「う」を「お」と交換(ターゲットは「う」が揃うべき位置)
④「お」を「あ」と交換(ターゲットは「お」が揃うべき位置)
この場合は「え→い→う→お」がターゲットの順番です。
「えいうお」と記憶してカードをすべて裏返し、その順番通りにバッファのカードと交換すると揃います。
カードをすべて裏返す
①一番左のカードを「え」が揃うべき位置のカードと交換
②一番左のカードを「い」が揃うべき位置のカードと交換
③一番左のカードを「う」が揃うべき位置のカードと交換
④一番左のカードを「お」が揃うべき位置のカードと交換
カードをすべて表にすると「あいうえお」の順番に揃っている
つぎに複数ループがある場合の例を見てみましょう。
ターゲットの順番を分析する

①「う」を「い」と交換する(ターゲットは「う」が揃うべき位置)
②「い」を「あ」と交換する(ターゲットは「い」が揃うべき位置)
〜バッファに「あ」が揃ってしまったため複数ループ開始〜
③「あ」を「お」と仮交換する(ターゲットは「え」が揃うべき位置)
④「お」を「え」と交換する(ターゲットは「お」が揃うべき位置)
⑤「え」を「あ」と交換する(「ターゲットは「え」が揃うべき位置)
〜複数ループ終了〜
この場合は「う→い→え→お→え」がターゲットの順番です。
「ういえおえ」と記憶してカードをすべて裏返し、その順番通りにバッファのカードと交換すると揃います。
カードをすべて裏返す
①一番左のカードを「う」が揃うべき位置のカードと交換
②一番左のカードを「い」が揃うべき位置のカードと交換
③一番左のカードを「え」が揃うべき位置のカードと交換
④一番左のカードを「お」が揃うべき位置のカードと交換
⑤一番左のカードを「え」が揃うべき位置のカードと交換
カードをすべて表にすると「あいうえお」の順番に揃っている
このようにターゲットの順番を分析して記憶することで、カードを裏返した状態でも並び替えることができます。
これまでの手順をまとめると、ターゲットには以下のような性質があることがわかります。
ターゲットの性質
・バッファがターゲットになることはない
・複数ループの開始時に仮交換したターゲットは、複数ループの終了時にもターゲットになる
・ターゲットの順番を分析して記憶することで、目隠しをしても並び替えが可能
※バッファ:毎回交換する位置
※ターゲット:バッファにあるパーツが揃うべき位置
※複数ループ:バッファを仮のターゲットと仮交換する必要がある状態
ここまで理解できたら、あなたは目隠しの仕組みを理解したといえるでしょう。
あとはこれをキューブに当てはめて揃えます。